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2008年 09月 17日
共分散構造分析での目標構造分析(統計はややこし。よーわからん)
9月12日の日記で
競争原理が学力向上に結びつかないどころか,阻害要因にすらなりうるという教育心理学の研究もある。
と書いたのですが,検索したところ一般公開されていました。
 CiiNiiで滋賀大学大学院教育学研究科論文集 第10号が無償公開されていたのを偶然発見したのでした。
<原著論文>
 家庭及び学級の目標構造の認知が個人の目標志向性と学級適応感に及ぼす影響
  - 中学生を対象として-
    小嶋延幸
 http://ci.nii.ac.jp/vol_issue/nels/AA11337147/ISS0000420008_jp.html
の「本文:CiiNii」をクリックしたらPDFファイルが表示されるはずです。

 http://nels.nii.ac.jp/els/110006612188.pdf?id=ART0008630268&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1221586563&cp=

 「共分散構造分析」という手法で目標構造の関係を分析しておられます。7ページのFig.1 に構造のパス図が示されています。

 8ページにはこう書かれています。(強調表示したいところがありますが,論文なので,著者の意図と違う表示の仕方は控えます。)
・・・・学級において競争や成績が強調される遂行目標志向的な雰囲気が強い場合,良い成績をおさめ,高い順位をとり,その目標構造に応えることができるのは一部の子どもに限られる。その他の大部分の子どもにとっては,本来勉強を身につけるはずの学校や学級が脅威の場としてとらえられ,子どもは学習へ向かうのではなく,結果的に学習から遠ざかる傾向にあると考えられる。
これに続いて,
しかし,家庭においては競争や成績が強調されるような遂行志向的な雰囲気である方が,ポジティブな学習志向や高い学級適応を導く傾向にあることが示された。また,学校の成績結果だけに関心を持って,親が指示したり,外的強化を与えるような統制志向的な雰囲気は,学習や学級適応に不適応な傾向を導くことがわかった。

 最後に,この研究の問題点を筆者自身が3点指摘していますが,その3点目がとても気になります。
第3に,家庭や学級の目標構造が生徒の目標志向性に及ぼす影響を一方向的なものと仮定していることの限界である。家庭や学校教育の過程は,相互作用的,相互関係的な性質を待っており,家庭や学級,教師の目標志向性が一方的に影響を及ぼすだけでなく,逆に生徒の目標志向性によって家庭や学級の目標構造が形成されることなどもありえる。このように家庭や学級と生徒の目標志向は相互に影響を及ぼしあうものであるという点を認識することは重要であると思われる。
やっぱり,子育ては社会全体の責務だということです。

 だから,全国テストの結果を公表しても,「センセー」や「くそ教育委員会」のしりを叩くことはできるかもしれないけれども,本来の目的である「子どもの学習意欲を阻害する場合の方が多いことが考えられる」ということです。

by ji3faf | 2008-09-17 01:06 | PTA


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