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2008年 07月 10日
拡大教科書普及推進会議
文部科学省からのメルマガをみていたら,

■拡大教科書普及推進会議
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/048/
というのがあるらしいことがわかりました。
 メルマガの【審議会情報】には
■拡大教科書普及推進会議 教科書デジタルデータ提供促進ワーキンググループ(第1回)
 議事概要
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/048/gaiyou/004/08070708.htm

が記載されていました。
 ほんとにデジタル教科書を提供しようとしているんですね。すでに実証実験済み。

この議事録によると,
 ・現在使用されている教科書はMac版のQuarkを使用したものが一番多い
 ・新しい教育課程用の教科書はMac版のIndesignを使用したものが一番多い見込み
だそうです。やはり著作権には苦労しておられるみたい。
嶋本委員の発表によると,
【委員】
 デジタルデータ提供の問題点としては、著作権の問題がある。著作権については、文化庁著作権課から拡大教科書向けであればデジタルデータの作成・提供は可能との見解をいただいているが、この点について、著作権管理団体等の意見調整が十分とは言えず、今後のルールづくりに向けて交渉が必要。

【委員】
 著作権に関しては、イラストや写真について各教科書会社から写真のエージェントの方に写真を貸していただくようお願いして契約をしているが、権利書の問題がある。これは、単に著作権の利用にとどまらず、多くは原版の所有者からの有形的提供を伴うものであり、その利用については所有者との契約に基づくものが現状。最初の契約というのは、教科書を作り始めた頃に行うため、途中から契約内容を変更するのはなかなか難しい。

 (略)

【委員】
 今後検討すべき方策としては、著作権については、教科書発行会社からのボランティア等に対するデジタルデータの提供を円滑に進めるために、その提供を著作権制限規定に明確に規定することが考えられる。
 図版の所有者に対しては、検定教科書に利用するための貸借契約締結時において、「拡大教科書等の製作のために第三者の提供することを認める」旨の条項を含めることを教科書発行会社から所有者に求めていくこと。その際、国が主たる所有者団体等にその周知を図るための支援策を講じることが有効ではないかと考える。
 また、デジタルデータの作成については、現在は大変な時間と費用がかかるため、例えばPDFに変換したものをそのまま提供し、必要なところだけをコピーペーストして作成するなど、作成に手間がかからない簡便な方法を模索する必要がある。

 また,田中主査は,米国の
  ・個別障害者教育法(IDEA)
  ・全国教材アクセスビリティ標準規格(NIMAS)
  ・全国教材アクセスセンター(NIMAC)
をこのように説明しておられます。
【委員】
 デジタルデータに関しては、障害のある児童生徒がアクセス可能な教科書を作成して提供する国立機関を設けることがIDEAの中でも触れられている。これを受け、ファイルの共通フォーマットであるNIMASという規格が共通に設けられており、このファイルからいろいろな形で拡大教科書、点字本の作成や音声ソフトに活用するなどされている。適用の範囲は、小学校、中学校、高等学校であり、障害の適用範囲は、盲の他にプリントディサビリティ(普通の活字媒体の印刷物に対する障害。弱視の児童生徒の場合は視力が0.1以下の子どもたちが対象。身体的な制限により読むこと、あるいは標準の印刷された教科書が使えない者、それから、器質性の機能障害によって通常の方法で印刷されたものを読むことが妨げられている読み障害を有する者)が対象となっている。具体的には、例えば肢体不自由のある児童生徒が自分の手で教科書をめくることができないといったような児童生徒、いわゆる学習障害、知覚に課題があるため、見ることについては問題ないが文字を認知して理解することに課題を抱えている児童生徒にも適用される。

【委員】
 点字、拡大文字、音声ファイル、DAISYという規格が共通になったファイルフォーマットがNIMASという形で作られている。

【委員】
 NIMASファイルを管理する場所は、オンラインのデータベース上にカタログ化して保存をしており、管理している場所がNIMACと呼ばれる全国教材アクセスセンター。

【委員】
 全国教材アクセスセンターでは全国から集まってくるNIMASフォーマットのファイルを集約し、カタログ化して管理をするデータベースセンターとなっている。そのファイルを活用できる人が管理ユーザーであり、アクセス権のある登録者。そのような人たちにIDとパスワードを配り、その人たちのみがそのファイルにアクセスして、必要なファイルをダウンロードすることができる。

【委員】
 地方の教育機関が全国教材アクセスセンターに対して、特定の教科書のファイルをNIMASファイルで作成するための申請を行う。教育機関が独自で NIMASのフォーマットにしてもよいが、それを専門に請け負う会社も存在しており、地方レベルにおいてはファイルの変換は点字出版関係の会社であるということが多い。

【委員】
 著作権の保護の問題については、このNIMASのファイルをダウンロードできる者は限られている。事前にNIMASとの使用制限承諾書に同意して署名した認定ユーザーがデータベースにアクセスでき、誰がどのようなファイルにアクセスしたかという記録を残す仕組みによって管理されている。もし、その当該のファイルが使用目的以外に流用された場合は、版権者から訴えられ、処罰が適用されることになる。
なかなか良くできた仕組みのようです。また,韓国の動向についても,
【委員】
 韓国における拡大教科書については、デジタル教科書というものを国の施策として試行しており、2011年からすべての教科書をデジタル化することになっていると把握している。しかし、この場合のデジタル教科書は、コンピュータ画面上において見ることができる教科書のことであり、いわゆる紙媒体として出版されるか否かについては現在のところ把握できていない。
と発表されています。
 自由討議にある,
【委員】
 もっと先に考えるべきなのは、1つのソースをいろいろな形で利用できる「ワンソース・マルチユース」ということ。拡大教科書もそうだが、点字、音声、電子媒体と、いろいろな形での利用が想定される。元のデータを効率よく、いろいろな形に変換しやすいものにしておけば、拡大教科書も1種類のみならず、数種類作りやすくなるということが言える。
 同じく、点訳する時にも、テキストだけを抜き出すことが容易になるとともに、音声にもしやすくなる。もしくは、発達障害のお子さんを中心として、電子教科書として提供してほしいという声も聞かれる。そう考えると、拡大教科書でボランティアにお手伝いしてもらうという側面も当面は大事だが、もっと先を考えると教科書のユニバーサル・デザインということが検討されるべきだと思う。
を実現するにはどうしたらいいんでしょうね。
 また,楽譜の拡大方法についても触れておられますが,むずかしいなぁ。

by ji3faf | 2008-07-10 20:49 | その他


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