人気ブログランキング | 話題のタグを見る
    
2008年 04月 20日
ネットいじめ対応アドバイザー養成テキスト
某つてを頼って,入手しました。
ですから,カテゴリは「情報教育」ではなく「PTA」です。

 うちの息子たちに見せました。感想は「これで3,000円はぼったくり」というものでした。
携帯電話の使い方をしらない人たちへの啓蒙書というよりは,フィルタリングの反対署名活動のための宣伝媒体だろうという判断です。
 つまり,「ケータイ所有=非行少年・少女」というステレオタイプ的な見方をしている人たちのストーリーにそって編集されているように思えるわけです。

 たしかに,チラシなどの啓蒙方法よりかなり優秀です。
 そして,子どもたちが犯罪に巻き込まれるきっかけのツールとしてのケータイは「なんとかしなければならない」状態にあるのは事実です。
 しかし,それはかつての「ポケベル」でもまったく同じ状態だったはずです。でもポケベルでは「フィルタリング」という発想はでませんでした。あれだって,漢字が表示できる前の数字でしか表示できない機種であっても「隠語」で連絡をとりあっていました。性犯罪のツールにもなっていました。
 女子高校生が集まる,女子高の近所の駅では「ポケベルをあげるよ」というオニーさんが,ポケベルを配っていたという事実もあります(なぜなのかを想像できない生徒指導関係者の方,フィルタリングを啓蒙する資格はございませんゼ!)。

 うちの息子たちがカチンときたのは,大きく3点。

【1】学校裏サイトの解説
 
いわば,2ちゃんねるの学校版とも言えます。
とかかれています。おいおい,「2ちゃんねる」はいじめを悪化させ,誹謗中傷するための存在かいな。2ちゃんねらーが怒るぞ。まっとうな「垂れ込み」だって立派にそんざいするわけだし。富士通のハードディスク大量不良問題も2ちゃんねるでの情報はかなり役立ちました。真贋取り混ぜての情報の中から,裏をとりつつガセネタを排除し,排除しきれない「疑念」をもとに調査をするのが「情報社会のありかた」でしょう?
 情報を鵜呑みにするほうが間違いだし,「新聞に書かれている」「テレビで放映された」なんていうのを「信用できる情報源」として刷り込まれるほうが,よほど問題だとわたしは思います。

【2】ゲーム脳理論
メールばかりに慣れてしまうと,電話番号や住所が覚えられない,簡単な漢字も書けないようになってしまいます。携帯電話がすべて記憶してしまうので脳が運動不足になってしまっているのです。人間の記憶力は使わなければ衰えます。
はい,ごめんなさい。わたしは自宅の電話番号も,職場の電話番号もうろ覚えです。携帯電話が覚えてます。職場の郵便番号は,いつも自分の名刺をみて,書いています。自分の携帯電話の番号も,プロフィール機能で表示させています。簡単な漢字も書けません。でも,ただしい漢字を書いているという方はどれだけいるのでしょう?ワープロのプリンタが印字する漢字が正しいとおもっているのでしょうか? 印刷物の漢字が正しいと思っているのでしょうか? 明朝体だって,レイアウトでデザインされた「書体」にすぎませんよ?
 わたしの本名だって外字なので,たいていは間違った漢字で表示されていますし。

【3】フィルタリング機能の1つである「時間制限」で深夜のゲームは防止できる
フィルタリング機能についての説明(3.7子どもに持たせる携帯電話)の最後に,
いずれのサービスも無料となっており,子どもが親の目を盗んで深夜にゲームにのめり込むこともなくなります。
とかかれていますが,これは大きなミスリーディングを含んでいます。
 ・フィルタリング機能は無料です → これは正しい!
 ・フィルタリングでは,深夜にゲームにのめり込むことを防止できません
リアルタイムオンラインゲームとか,オンラインチャットであれば時間制限機能は有効でしょう。
しかし,たいていのゲームはケータイにダウンロードして実行できるアプリケーションです。ダウンロードしてしまえば,起動時の認証を制限時間前に行っておけば夜でも遊べるのではないですか?常に認証が必要なゲームにだけはまるような子どもばかりではありません。
 ダウンロードにパケ代がかかっても,ゲーム自体は無料というアプリも存在しますから。

このほか,用語集に「JC」「JS」があるのに「JK(女子高生)」がないのが不思議といってました。「BBS」の説明に
単に『掲示板』や『BBS』と呼ぶこともある
と書いてあるのには噴出してました。「アバター」も
着せ替え人形のwebサイト版と言えるもの
と書かれてしまうと「セカンドライフ」とか,e-Learningでのアバター機能を活用した研究も「悪魔のささやき」に見られてしまうような気がします。

====

 このテキストで重要と思うのは,「4.ネットいじめ事例」と「6.練習問題」です。

■ネットいじめ事例
 はっきり言って,この事例に登場する「学校教員」の「情報社会に参画する態度」は教員研修での事例として取り上げてほしいと願うものです。

 1)ネットワークの仕組み(情報の科学的理解)不足による事実誤認
 2)生活指導の先生が信用されていないで,自分で解決した(この協会の自画自賛に思える)
 3)学年主任に相談しても何もできない(情報社会に参画する態度ができていない)

 3番目の事例については,保護者から相談を受けた学年主任に対応方法が分からないなら,その学年主任が情報教育担当者や生活指導担当者と相談するとか,それでもわからなければ教育委員会に相談したらいいいんです。保護者にさらなる不安感を与えて警察に相談に行かせてしまうなんて,学校の「情報教育」に対する姿勢がうかがえてしまいます。

 こういう学校の先生ばかりではありませんし,教育委員会もしっかりと対応できるようにそれなりの体制を整えているはずです。
 万が一「これは学校の責任ではありません。学校ではケータイ持込を禁止しているので,手の打ちようがありません」なんてことをいう「情報教育は学校教育の邪魔」という程度の発想をしている先生にぶち当たったとき,このテキストを読んだ方が身近におられたら,きっと頼りになる味方になってもらえるでしょう。

■練習問題
 具体的な質問事例です。とてもよい練習問題だと思います。
正答はないと思います。それぞれの子どもや家庭環境,地域性によって,最適と思われる方法がちがうからです。
 携帯電話の番号を変えてしまうという方法だってありますし,ノイローゼぎみの生徒には先生の素人判断ではなく専門の医者に相談しておくほうが良い場合もあります。
 学校の先生の生活指導の範疇を超えていますが,窓口になって,相談先を紹介できるようにはなってほしいです。その相談先が,いきなり警察署や法務局だと,たいていの人は腰がひけるでしょう。
 テキストなんですから,相談するときに用意しておくべき情報を整理しておいて欲しかったな,というのがわたしの感想です。
 
 やっぱり,学校の先生にたいする「ただしい情報教育(パソコン操作方法が情報教育ではない)」をしてもらうのが最初の一歩のような気がします。

by ji3faf | 2008-04-20 16:10 | PTA


<< Googleは未成年利用禁止      すごい現場 >>


にほんブログ村 教育ブログへ




Map