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2008年 10月 11日
なぜ「教員一人に一台」が実現しないのか
IT戦略本部が発表した2006年1月の「IT新改革戦略」と,2008年8月の「重点計画 - 2008」には
 ・2010年度を目標に
 ・全ての公立小中高等学校等の教員にコンピュータを配備する
とかかれているのですが,実際にはその道のりは険しそうです。

 わたしは,その理由はほぼ100%予算上の問題だと思っていました。
  教員一人に一台のパソコンを購入する予算は計上できない
  それ以前に,耐震工事を実施しなくてはいけない
という理由だと思い込んでいました。

 ところが,先日,以前にネットデイをお手伝いした学校の関係者から,当時の打ち明け話をきいてびっくりしたのです。

 そのネットデイは数年前のことでした。
 通信機器ばかりでなく,パソコンも何台か寄付していただけました。

 そこで,そのパソコンを利用して,「全教員にパソコンを配備」を計画したのですが,教育委員会から許可されなかったそうです。
 理由は,「重点計画-2008」で指摘されている
特に、情報セキュリティの観点から適切に管理された校務用コンピュータ等の整備を促すために個人情報流出の危険性を周知するとともに、IT活用に伴うリスクを避けるための情報セキュリティポリシーの策定状況を公表する。
と同じで,「学校が全教員に配備したパソコンを適切に管理できるとは考えられない」ということだったそうです。
 行政機関でも苦労して人材を割り当てて機器のセキュリティ管理するのに苦労しているのに,
全教員に配備したら,パソコンのセキュリティ管理を教員が兼務でし続けられる仕事量ではなくなる
という指摘だったそうです。
 教育委員会には管理を手伝える余力はなく,学校にセキュリティ管理担当者を配備できるないし,セキュリティ管理もせずに配備してしまったら,万が一のアクシデントが発生したときに対応できないという指摘はもっともなことだと思います。

 でも,全教員に配備する必要性は理解してもらえているので,
職員室の教員机の「島(たいてい6人とか8人分の机が一塊になっていますよね)」毎に1台なら,職員室に数台のパソコンが増える程度で,それなら「職員室に1台」と比べても負担が劇的に増加するわけではないだろうから,認める
ということになったそうです。

 教育委員会事務局が「ケチ」だとか「無理解」だというわけではなく,
    現状をきちんと見据えたうえで,配備計画を遅らせている
という場合もあるのだなぁ,と驚いたというか,腑に落ちたというか。

 でもこの問題は単に「運営管理者」を増員すれば解決します。要するに「教育CIO」というか,「学校CIO」を適切に配備できるかどうか,という問題と直結しているわけです。

というわけで,良く考えるとこれも結局は,「予算」の問題だったというのがオチです^_^;

by ji3faf | 2008-10-11 02:13 | 情報教育


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