2008年 09月 01日
『最後の授業』byランディ・パウシュ
メモ:9月1日に誤字修正しました。

この授業がYouTubeで流れているとか,翻訳版が出版されたとか聞いてはいたのですが,うっかりとAmazonで発注するのを忘れてました。おととい,DVD付版をようやくGETできて,一気に読んじゃいました。
最後の授業 ぼくの命があるうちに DVD付き版
ランディ パウシュ / / ランダムハウス講談社
ISBN : 4270003502

 この本を読んで,うちのボスの授業となんと似ていることかとびっくり。そして,ここに書かれている「レンガの壁」崩しの見事さ。
 そして,DVDの日本語字幕の適切なこと。これはぜひDVD付版を入手してください。本文はDVDに収録されている「最後の授業」の後日談であり,裏話なのですから。

 この本は,1話1~6ページのエッセー集だといえるでしょう。そして,そのすべてに薀蓄が詰まっています。読みやすく,どこから読んでも「生きる力」のアイデア集になっています。

■グレアム監督が教えてくれた『頭のフェイント』(54-59ページ)
大切なのは,もうひとつの「頭のフェイント」だ。学んでいるときは理解できないが,あとになってわかることを教えること。それが「頭のフェイント」だ。「頭のフェイント」の達人は,本当に教えたいことを,相手が気がつかないうちに教えている。

■リーダーシップという名のスキル(63-67ページ)
テレビを観ていてわかるように,カーク船長はいちばん賢い男ではない。
 (略)
 では,カークのスキルは何か。なぜ彼はエンタープライズ号に乗ることになり,船長になったのか。
 答えは--「リーダーシップ」と呼ばれるスキルだ。

 (大幅に略)

 僕の病気について知ったシャトナーは,カーク船長の写真を送ってくれた。そこにはこうサインしてあった。「勝ち目のないシナリオがあるはずはない」

■ジェイとの出会い(95-101ページ)
レンガの壁がそこにあるのには,理由がある。自分が何かをどんなに真剣に望んでいるか,証明するチャンスを与えているのだ。

■時間を管理する(125-129ページ)
 この留守電のメッセージはすごい。こんな発想はわたしにはできない。家族旅行に行っても,旅館の電話線をちょこっとさわってモデムを接続していたくらいですから!(^^)!

■仲間の意見に耳を傾ける(130-135ページ)
■きみはもっとできる(141-146ページ)
 これはどちらもカーネギーメロン大学での「バーチャル世界の創造(通称BVW)」クラスの話題が中心です。
 「仲間の意見に耳を傾ける」には
教師の第一の目標は,学生がどのように学ぶかを学ぶ手助けをすること。これは教育における決まり文句だ。
 もちろん,僕もその価値はつねに認めている。ただし,僕のなかでは,もっとふさわしい第一の目標がある--学生が自分をどのように評価するかを学ぶことを,僕は手助けしたい。
というわけで,カーネギーメロン大学での「バーチャル世界の創造(通称BVW)」クラスの評価方法がかかれています。これってウチのボスの授業方法に何となく似てます。ちょっと長くなりますが,キモなので引用(といって許してもらえるかな)します。
 まずは,BVWのクラス編成の話。これは「きみはもっとできる」にこう書かれています。
大学のすべての学部から50人の学生が集まった。俳優や英文学専攻の学生,彫刻家もいれば,エンジニアや数学専攻の学生,コンピュータオタクもいた。カーネギーメロン大学が専門分野ごとの自治を尊重していることを考えると,進路が交わるはずのない学生たちだった。でも僕のクラスでは,彼らはありそうもない組み合わせでパートナーとなり,一人ではできないことを協力してやらなくてはならなかった。
 学生は無作為に選んだ四人でチームを組み,二週間かけて課題に取り組む。僕は「バーチャルな世界を作りなさい」としか指示しない。学生たちはプログラムを作成し,みんなの前で発表する。そしてチームを組みなおし,新しい余人の中まで次のプログラムにとりかかる。
評価方法は,前の「仲間の意見に耳を傾ける」に,こう書かれています
僕がカーネギーメロン大学で「バーチャル世界の創造」というクラスを教えていたときは,二週間に一回,学生に相互評価をさせた。四人一組で課題に取り組む共同作業のクラスだから,信頼関係が成績に響くのだ。
 相互評価は一枚のスプレッドシートに集計した。一学期のあいだに学生は一人につき三組のグループで五つの課題を完成させるから,15の評価が一覧になる。これで実際的かつ統計的に自分を見つめることができる。
 僕は色分けした棒グラフを作成し,次のような評価のランキングがわかるようにした。

 1 仲間はあなたが一生懸命に取り組んだと思ったか? あなたが何時間,プロジェクトに取り組んだと思ったか?
 2 あなたはどのくらい独創的な貢献をしたか?
 3 仲間はあなたと組んでやりやすいと思ったか? やりにくいと思ったか? あなたはチームプレーヤーか?
これは,うちのボスの「チーム学習」というか「自律的学習」と同じ視点の評価方法じゃないの? とびっくりしました。
 そして,「きみはもっとできる」にはこう書かれています。
発表を見ていると,どのチームがいちばんすばらしいかすぐにわかる。メンバーが固まって立っているときは絆があり,彼らのつくったバーチャル世界は鑑賞に値するだろう。
 このクラスで僕がいちばんうれしかったのは,チームワークが成功の大切なカギになっていたことだ。学生たちがどこまで進歩できるか,彼らが夢を実現できるかどうか,僕にはわからなかった。僕がたしかに言えたことはひとつだけ--きみたちは一人では何もできなかった。
そして,こういう評価もしています。
■最初のペンギンになる(172-173ページ)
「バーチャル世界の創造(BVW)」のクラスでは学生に,むずかしいことに挑戦して失敗を恐れるなと励ました。そして学期が終わるときに,学生のグループのひとつにペンギンのぬいぐるみを贈呈した。最大のリスクをおかして新しいアイデアや技術に挑戦したが,当初の目標を達成できなかった「最初のペンギン賞」だ。いわば「名誉ある失敗賞」で,型にとらばれない考え方と,想像力を大胆に使ったことを称える。つまり「最初のペンギン」の受賞者は,あとできっと成功する敗者なのだ。
こりゃ,がんばりますよ。

■チームワークの大切さを知る(163-166ページ)
学生の心をつかむために,安っぽい芝居が必要なときもある。僕は出席をとりつづけ,ついに大声をあげた。「どうして友だちどうしで座っているんだ? なぜグループごとに座ろうとしない?」
日本の大企業でも「大部屋」だからこそ成功してるんですよねぇ。

■幸運は,準備と機会がめぐりあったときに起こる(136-140ページ)
 ここでの話題は,「親切は人のためならず」という教訓ととらえることもできるかもしれないけれど,うちのボスがいつもいっていることを私なりに解釈している「常に準備をしておく。すると,研究なんかの募集があってからあたふたと準備をするのとは分けがちがう。本当に必要とされる研究は,向こうから「募集」というチャンスをくれるんだから。そのときには「引き出し」から出すだけでいいくらいにしとかなきゃ」の実例かなぁ,と思いました。
 これは
■準備を怠らない(187-189ページ)
にも通じることです。ま,わたしも「石橋を叩き潰して,その瓦礫をわたる」くらいの臆病者ですが,それでも山ほど失敗してます!(^^)!

このほかにも紹介したいエピソードが満載です。
■思いやりを示す(196-199ページ)
 これは「損して得とれ」かな?
■責任を引き受ける(209-210ページ)
 任せれば成長します。
■子供たちへ(227-236ページ)
 親の仕事を再認識させてもらいました。そういえば,僕も好き放題させてもらったし。
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by ji3faf | 2008-09-01 00:57 | 情報教育


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