2005年 12月 15日
「学力を育てる」
重松先生が持参された応募作品のなかに、本が入っていました。
 それが、この本。
 志水宏吉著 「学力を育てる」
  岩波新書 978 ISBN4-00-430978-6

うちの代表は、よい「メタファー」を考えなさいといってますが、この本の帯には
  学力を「樹」のメタファーでとらえてみよう
と書いてあります。じつにわかりやすいメタファーです。

 PISAの学力テストで日本の学力が落ちていることが判明したから全国学力テストを実施するとか、ゆとり教育路線を修正するとか、文教族の政治家がいってますが、それは実態をしらないというか、テストの分析をまちがっているとしかいいようがないと私は思ってます。それはちょっとググるといろんな資料がでてくるのでここではいいませんが、この本でもきちんと説明されています。

 そのPISAで、フィンランドはなぜ成績がよかったか、というよりも、なぜ日本の順位が落ちたのかというと、はっきりいって「勉強しなくなった」ということに尽きます。自分の子どもをみていてそう思います。テレビ番組を見ていないときは、ゲームしているか、チャットしているかで、宿題すらまともにしていないのです。その結果低学力グループが形成されて高学力グループとの「2こぶ分布」が発生しているのです。
 この本では「家庭の文化的環境」によって、「2こぶ」現象どころか「3こぶ」現象が発生していることも示しています(89ページ)。
 そういう低学力に公立学校は無力か、というと「そんなことはない!!」という実例を示す小学校と中学校にそれぞれ1年間のフィールド調査を実施しています。
 どうも、それらの学校は指導者も学習者もともにプラスのフィードバックを起こす「チーム学習」をする組織に、つまり「学習する組織」になっているようです。

 またこの本では学校選択制(「首都圏発のコミュニティ・スクール論)に対して、明確に反対しています。
  「学校は地域に根ざすものである」
  「それを離れたら、「よさ」が出てくるはずがない」
  「校区を自由化することは自殺行為である」
  「自分の住む町を好きだという子どもを育てるのが公立学校の役割である」
                                          (187ページ)
は、わたしにとって、とてもすっきりする言葉です。

 そうそう、130ページにこう書かれています。
 読者の皆さんには耳なれない言葉だなと思われる方も多いだろうが、関西の教育現場では、「学力保障」とか「進路保障」といった言い方がしばしばなされる。

あたりまえの表現だと思っていたのですが、「学力保障」という言い方は関西方言だったんでしょうか??

 この本は、
   けっして日本の未来は暗くない
   やりかたを間違えなければ子どもを伸ばせる公立学校をつくれる
ことを示しています。
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by ji3faf | 2005-12-15 02:42 | 情報教育


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